いよいよ審査会
一夜明けて24日は審査会当日、学生たちはそれぞれ午前に最後の仕上げを行い、本番に臨みました。会場となった北日本新聞ホールでは、チームごとにステージに上がり、スクリーンを使って15分間のプレゼンテーションを行いました。

審査に当たったのは、初日にセミナーを行った林さんと、富山県立大の岩本健嗣教授、北日本新聞社の蒲地誠社長、日本オープンシステムズの園博昭社長、ママスキーの土肥恵里奈代表の5人。発表が終わるたびに、それぞれスマートフォンに実装されたデモ機を操作し「この課題に目を付けたのはなぜか」「既存サービスとの違いは何か」と、意図や狙いを確認していました。

プレゼンは、スクリーンに映し出したQRコードで客席の参加者もデモ版を操作できる工夫を見せたチームもあれば、敏腕営業マンさながらの巧みなプレゼンを披露する学生もいて、個性が表れました。
高い完成度
いずれのデモも完成度が高く、会場からは驚きの声が上がりました。「若い世代がどんなものを作るのか気になって訪れた」という富山市の20代公務員の男性は「自分とそんなに年齢の変わらない学生が短期間でこれだけのものを作ったことに驚きました。僕たちもまけてられないですね。いい刺激を受けました」と話しました。

審査員が「どれも着眼点が素晴らしく、しかも短期間で形にできている」と口をそろえる中、僅差で最優秀に輝いたのは、「きときとフォース」チームが手掛けた「納税レシピ」でした。「ふるさと納税という着眼点が素晴らしく、プレゼンの内容にも説得力があり、使いやすいサービスの形になっていた」と評価を受けました。

表彰状を手にした4人は口々に喜びを語りました。山本哲也さん(富山高専4年)は「不便なことを便利にすることを日頃から大事にしている。自分たちで考案した機能を持つサイトがなかったのが自信につながった」と話し、田川昊樹さん(富山大1年)は「チームでの開発自体が初めての経験だったが楽しくできた」と振り返りました。
堀田歩那さん(富山県立大3年)は「数日でアイデアを出して形にするのも、利用者へのフィードバックを学べたのも貴重な経験だった」と喜び、柿本和磨さん(富山情報ビジネス専門学校1年)は「受賞自体が驚きだった。就職後もきっと役に立つと思う」と笑顔を見せました。

審査員の講評では、短期間で実用性の高いアプリやサービスを提案した学生たちをたたえるとともに、「富山にとどまらずグローバルな展開に目を向けると、さらにアイデアは広がる」「この体験に基に友人や仲間をリードする存在になってほしい」など、次代を担う世代への期待の声が相次ぎました。最後に主催者でもある北日本新聞社の蒲地社長が「来年以降も何らかの形で続けていきたい」と次回の開催に意欲を示しました。
ハッカソンは、北日本新聞の創刊140周年を記念するとともに、富山県立大に今春、情報工学部が新設されることに合わせて企画されました。富山大、富山高専、富山情報ビジネス専門学校、日本オープンシステムズの協力と、北陸銀行、北陸電力グループの後援で開催されました。
各賞とチームの紹介




主催
北日本新聞社
共催
富山県立大
協力
富山大、富山高専、富山情報ビジネス専門学校、日本オープンシステムズ
後援
北陸銀行、北陸電力グループ
【審査員(50音順)】
岩本 健嗣(富山県立大学教授)
蒲地 誠(北日本新聞社長)
園 博昭(日本オープンシステムズ社長)
土肥恵里奈(ママスキー代表)
林 千晶(Q0社長・ロフトワーク共同創業者・相談役)