化学変化を起こせ
午後からはチームに分かれて具体的な検討です。4人1組のチームは、学校単位ではなく、学校も学年もばらばらの編成になっています。異なる環境で学ぶメンバーが意見を交わすことで生じる“化学変化”が狙いです。進行役を務める富山県立大の河崎隆文助教が、次々と課題を示し、学生たちの意見を引き出します。「富山の課題っていうけど、実際、何が問題になっているの?」「確かに情報はいっぱいあるけど、実は見つけにくいよね」。付箋やホワイトボードを使いながら、自分たちが感じている「富山の課題」を洗い出していきました。

20日から22日にかけては、チームごとにチャットで議論を重ねたり、リアルでミーティングをしたりして、アイデアを具体化していきました。23日からは、再び北日本新聞社に集まり、集中的にプログラミングです。審査会は翌24日の午後1時半。それまでにデモ用の試作品をプログラミングし、プレゼン資料を作る必要があります。

時間が足りない!
より使いやすいお出かけ情報をテーマにした「シンプル is best」チームは、ホワイドボード2台を駆使して課題を整理し、役割を分担。大型モニターを自ら持ち込んでプログラミングを続ける「きときとフォース」チームは皆、黙々とキーボードを打ち続けます。
農業に内容を絞った「ホウサク」チームは、ゲームプログラミングが得意なメンバーの特性を生かそうと知恵を絞り、「無気力系エンジニア(仮)」は、ショート動画を活用したサービスの提供で議論を重ねていました。「どこまで進んだ」「時間が足りない」。焦りにも似たつぶやきが聞こえる中、刻々と時間が過ぎていきます。


メンターがサポート
そんな学生たちを技術面で支えるのがメンターと呼ばれるエンジニアの皆さんです。ハッカソンに協力している日本オープンシステムズ(富山)の6人が、作業の進捗を見ながら折に触れサポートしてくれました。プレゼンの予行演習では「自分たちが見つけた課題をもっと明確に示した方がいい」「プレゼンで訴えたことがデモに反映されていない」と、突っ込んだアドバイスが飛び交いました。

ハッカソンは緊迫した場面ばかりではありません。夜に開かれた交流会では、学校やチームの垣根を越えて語り合い、楽しいひと時を過ごしました。ただ、審査会は翌日のお昼。交流会を終えても、デモ用の動画を作ったり、プログラムを進めたりと、夜遅くまで作業を続けたチームもあったようです。

