J3のカターレ富山が12月2日午後2時から、10年ぶりのJ2復帰をかけてホームで最終戦に臨む。現在2位の鹿児島を勝点2差で追っており、この試合に勝ち、鹿児島の結果次第で逆転昇格の可能性がある。大一番の見どころを紹介する。

 

 カターレはJ3に降格した2015年以降、大半のシーズンで終盤まで昇格争いに加わっているが、実現の可能性を残して最終戦を迎えるのは初めて。しかも会場は地元だ。いやが上にも緊張感が高まる舞台で選手がどんなパフォーマンスを発揮するのか楽しみだ。

八戸戦でシュートを打つ吉平=11月(上田友香撮影)

 FW吉平翼は「少なからず緊張はするから、うまくいかない可能性はある。普段通りプレーできれば問題ない。できなかった時に自分をはじめとする経験のある選手がチームを良い方向へ引っ張っていきたい」と語っている。

好調のYS横浜と激戦必至

 対戦相手は11位のYS横浜。過去の対戦成績ではカターレが14勝3分1敗と圧倒している。ただし、その多くは接戦だ。勝った今年3月の開幕戦も2-0から1点を返され終盤はピンチの連続だった。しかも彼らは9月に倉貫一毅監督が就任してから8勝1分4敗と白星を重ね、後半戦で稼いだ勝点30はカターレの23より上。順位こそ3位と11位だが、勝点差は7に過ぎない。相手も過去最高順位(8位)の更新がかかり、打倒カターレに燃えている。他会場で同時刻に始まる鹿児島の結果を気にする以前に、この難敵に勝ち切らなければならない。

今季開幕戦でYS横浜を破ったカターレ=3月(上田友香撮影)

 YS横浜のフォーメーションは[3-1-4-2]。1試合平均のボール支配率が50%を超えるポゼッション型で、GKがセンターバック2人と並んで攻撃の組み立てに参加する。後方で丁寧にボールをつないで相手を揺さぶり、長短の縦パスで一気にゴールに迫るのが得意のパターン。遊撃的に動くシャドウストライカーの佐藤大樹がチーム最多の7得点を挙げ、同じく萱沼優聖が6アシストを記録している。萱沼は新人時代を含め15~17年にカターレでプレーしており、八戸に在籍した昨季も古巣相手に得点を決めた。横浜FCで活躍したレフティーのMF中里崇宏がキッカーを務めるセットプレーもストロングポイントだ。倉貫体制の13試合のうち7試合が完封で計10失点と守りも堅い。

カギは決定力とリスク管理

 自陣の低い位置でボールを回すYS横浜に対し、カターレは持ち味のハイプレスでボールを奪えるとビックチャンスが到来する。しかし、敵もその裏をかこうと狙っている。小田切道治監督は

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