大相撲の夏巡業である8月25日の黒部場所と27日の氷見場所が近づいてきた。巡業は本場所と異なり、人気力士を間近で感じ、ふれあえることが最大の魅力だ。富山市出身の大関経験者、朝乃山も巡業に復帰しており、地元ファンの期待が高まる。これまでに取材やプライベートで何度も巡業に足を運んだ。巡業をより楽しむためのポイントを紹介したい。

巡業の1日はおおむね以下のようなスケジュールとなっている。
09時00分 開場、公開稽古
11時30分 幕下以下取組
13時30分 幕内、横綱土俵入り
幕内取組
15時00分 打ち出し(終了)
取組そのものは11時すぎから。「じゃ、昼前に行けば十分だ」というのはもったいない。巡業を満喫するのであれば「朝が勝負」。駐車場も混むため、できるだけ早く会場入りすることを勧めたい。

9時の開場直後であれば、入口に人気力士が2~3人立ち、握手をしてくれるのが通常だ。相撲で「ご当所」と呼ばれる地元出身力士が登場するケースが多い。握手や写真を求めるファンが並び、長い行列となる。

会場に入ると、土俵上では幕下以下の力士が稽古を始めているはずだ。周囲には、関取と呼ばれる十両や幕内力士の姿もちらほらと見られる。この時間帯から取組開始の11時すぎまでが力士との距離が最も近い「ゴールデンタイム」と言える。

関取にもなれば、すぐに土俵に上がらず、土俵から少し離れたエリアでストレッチや基礎の四股、てっぽうなどで汗をかく。いつもは戦う力士同士がリラックスした様子で談笑するなど普段と違う表情を見せてくれる。

この時だ。稽古中なのでタイミングを計る必要はあるが、運が良ければお目当ての力士と握手したり、サインをもらったりすることができる。事前に色紙と油性ペンの準備をお忘れなく。

巡業の初心者であれば、力士を顔写真入りで紹介している本「大相撲力士名鑑」や本場所のパンフレットを持参するといい。本は書店で、パンフレットはネット通販やフリマアプリで手に入る。

上位の力士になればなるほど、ファンあっての大相撲、巡業がファンとの交流の場であることを知っている。中には「神対応」の力士もいて、さらにファンになったり、新しくファンになることもある。どの力士も子どもへの対応は優しいことが多い。

さらに相撲関連のシャツや小物を身に着けていくと、力士側も「この人は相撲ファンだな」と認識してくれ、過去には自らページを開いて、本やパンフレットに力強くサインを