9月半ばに発熱し、新型コロナウイルス感染が分かった。40度の熱が3日間続き、10月3日現在も鼻声やせき、微熱が続く。感染流行「第7波」は、感染力が強いが重症化しにくいというオミクロン株が主流となった。ところが、周囲の体験を聞くと一口に軽症といっても個人差が大きい。「軽症の中でも重い方だったのでは」と感じた記者の体験をリポートする。

※2022年公開の記事です。あくまで個人の体験談であり、全ての人に当てはまるものではありません。

■市販の解熱剤効かず【1日目】

 朝晩の体温測定を習慣化していた。発症した日の午前5時も36・7度といつも通り。ところが、この日の仕事終わりに悪寒と眠気に襲われた。帰宅後には歯がガタガタと鳴り、真冬と同じ服を着て毛布を被った。夜に目覚めると体温は40度を超えていた。

 感染したかもしれない―。最も怖かったのは基礎疾患を持つ高齢の両親に感染させることだった。すぐスマートフォンで家族に連絡し、今後一切、部屋に近付かないよう念押しした。家族には無料通信アプリLINE(ライン)で1日2回、生存確認のスタンプまたはメッセージを送ることにした。

発熱した日に家族に送ったメッセージ

 市販の解熱剤を飲んだが熱が下がらない。発熱外来へ行こうにも、3連休中で受診できる病院がほとんどなかった。数少ない施設に電話すると「検査目的の受診はお断りです」と言われた。業務がひっ迫しているのだろう。かすれ声で「熱が下がらず苦しい」と伝えたところ、「長時間待つことを覚悟して来てください」と言われた。既に夜遅かったので、翌日受診することにした。

■ゼリーに助けられる【2日目】

 2日目。熱は40・2度まで上がり、のどが痛い。焼け付くようなヒリヒリした痛みで、つばを飲み込むのもつらい。うわさ通りだ。経口補水液やお茶はのどが痛くてつらい。ゼリー状の栄養剤やフルーツゼリーがのどを通りやすくて助かった。

パウチに入ったゼリー状の栄養剤は重宝した

 この日、発熱外来で検査を受け、すぐに陽性が分かった。電話で予告された通り、受付から解熱剤を受け取るまで3時間近くかかった。

■ワクチン接種歴を確認【発熱外来にて】

 医師と看護師はワクチンの接種歴を確認し、2回接種したことを伝えるとほっとした表情をしていた。未接種は重症化リスクの一つだ。自分は重症化リスクのない40歳以下ではあったが、40度の熱が2日続き、足元がふらふらしていた。医師は9月に県内で20歳未満の患者が亡くなった事例を挙げ、

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