4月下旬か、5月の頭だったか。。。

北日本新聞の書評欄で、精神科医の岡田尊司さんの新刊本が出たことを知りました。

本の題名は、「母親を失うということ」です。

 

早速買い、読みました。

私は、今は子育ての為、休職していますが、それまでの20年間は、医療従事者だったということもあり、今までに、この岡田尊司先生の本もたくさん読みました。精神科医で医療少年院などにおられたこともあり、人格形成期の愛着形成に関わる事柄についてや、人格障害についてなど、分かりやすく書かれているものが多いと思います。

子育てをされている方には、役に立つ視点があります。コロナ禍で、ステイホームも長いですから、岡田尊司先生の本を読んでみられるのも、人格形成期の子供を持つ親としては参考になるかと思います。人格の形成には、色んな偶然や必然が影響することを知ると、いろいろ考えさせられますよ。

さて、そんな岡田先生が、この新本で、自身のお母さんを亡くされたことから、振り返り思うことについて、ノンフィクションで書かれています。お母さんが自由に自分を育ててくれたその背景を思い、家族背景、家族病理へと、話が続きます。私も、自分の母親や、母が生きてきた人との関係性について、考え、照らし合わせて読みふけってしまいました。

○母は無償の愛情で包み込んでくれますが、その背景には母の色んな苦労が、子どもが思う以上にあるということ。

○私は、今、母が生きているうちに、母に何ができているのだろう。そして、何ができているのか、また、何がこの先もできるのだろうか、ということを考えさせられたこと。

○「今日の、この瞬間の母に会えるのは、今日しかない」という貴重な時間を母といつも、共有しているということ。

身近な家族、父、母との関係性や、思いやるという行為について、考えさせられる一冊でした。