病気のことを相談できる身近な存在
病気になったときに頼りになる「かかりつけ医」を持っていますか?
「あなたの身近にいて、普段から病気のことを気軽に相談できる『かかりつけ医』を持ちましょう」と富山市医師会の吉山泉会長は呼び掛けます。「診療は、患者さんが話した内容だけでなく、顔色や様子などを、医師が五感を使って診るもの。患者さんの普段の状態、生活や家族構成などを把握した上で病気の相談を受けるのと、全く白紙の状態で受けるのとでは、やはり違います」
「いつもと違う」状態を、普段の状態を知っているかかりつけ医に診療してもらうことが、いざというときの適切な対応につながります。
我慢せず必要な診療は受けて
コロナ禍の今、感染への不安から医療機関の受診を控える動きが続いています。吉山会長によれば、病院に行くのをためらい、治療を中断したり家庭薬で済ませたりする「受診控え」が見られるそうです。
過度な受診控えは健康リスクを高めるだけです。慢性疾患を抱えた人は、そのために症状が悪化し、合併症を起こして病院に搬送されるケースも見受けられます。「我慢せずに必要な診療は受けましょう。また、子どもの予防接種はスケジュールがタイトになっていてタイミングが大事。必要な時期に接種しましょう」と吉山会長は話します。過度な受診控えはやめ、必要な診療を受けることが大切です。
かかりつけ医と病院が連携
かかりつけ医は、患者の要望を踏まえ、より踏み込んだ検査や治療が必要なときには、病院の専門医を紹介します。病院での治療後は、症状が落ち着いた段階でかかりつけ医に戻して治療を継続するなど、かかりつけ医と病院との連携体制が整っています。
吉山会長は「かかりつけ医と病院の専門医は、情報交換したり勉強会を開いたりして密接な関係を築いています。紹介後も安心して診療が受けられるよう患者さんへの対応にも心を配り、信頼関係の中で医療を継続しています」と話します。
“上手な医療のかかり方”について、吉山会長は「検査機械が動き、それを動かすスタッフがいる診療時間内にかかりつけ医を受診することが大切です」と話します。また受診の際は、「いつから、どんな状況で、どのようになったか、症状を具体的に伝えましょう」。
日常的な診療や健康相談ができる身近なかかりつけ医を持ち、上手に医療にかかることは、よりよい医療が受けられ、健やかに安心して暮らすことにつながります。