
1人あたり月2万円を助成 ミスマッチ防ぐ
トライアル雇用就農促進事業は、農業法人などに対し、雇用する就農希望者1人あたり月最大2万円を助成する制度。期間は3カ月以内で、トライアル後の正規雇用を前提とすることなどの条件があります。雇用に係る初期経費を支援してもらえるため、農業法人にとっては雇用のハードルが下がり、就農希望者にとっても、正規雇用となる前にリアルな業務内容が分かるなど、双方にメリットがあります。トライアル終了後、正規採用に至らなかった場合も、ペナルティはありません。
「日本の農業経営学びたい」とネパールから来日
射水市寺塚原の庄東ノーサンは、カイワレ大根やブロッコリースプラウト、豆苗を生産するスプラウト農園です。代表の中谷幸葉さん(33)は、同事業の助成を受け、ネパール出身のブダ・アイバハジルさん(30)をトライアル雇用しました。

ブダさんは母国の旅行会社で働いていましたが、コロナ禍で仕事が激減したことをきっかけに、農業に関心を持つように。「日本で農業経営を学びたい」とネパールで日本語を学んでいたところ、人材派遣会社を通して同社を知り、働くことになりました。「スプラウト農園は天候や自然災害に左右されず、年間を通して水耕栽培できるところにも魅力を感じました」とブダさんは話します。

現在は、種まきから水やり、収穫、梱包、出荷までを担当しています。「水やりの量やタイミング、梱包作業などを覚えるまでは大変でしたが、ネパール出身の先輩もいたので不安はなかったです。みんな優しい」とブダさん。将来は、ネパールで農園を経営したいという夢を膨らませています。
トライアル雇用 『まずやってみよう』
中谷代表は、県の報道発表でこの助成事業を知り、すぐに申請しました。「3カ月間、実際に働いてもらいながら相性を見極めることができ、ミスマッチを回避できるところが魅力でした。その間、助成金をもらえるのがありがたい」と言います。

ブダさんを雇用してもうすぐ2カ月。中谷代表は「彼は真面目で頭も良く、この先、リーダー格になれる人」と感じており、トライアル雇用終了後は正規雇用に移る予定です。「知り合いの農家オーナーにも『人材は欲しいけど、なかなか雇用に踏み切れない』と悩んでいる人が多くいます。この事業なら『まずはやってみよう!』という気持ちになるので、お勧めしたいです」と話していました。
農業法人等が雇用する就農希望者1人あたり最大2万円/月(最大3カ月)
※在留資格に応じて、助成対象にならない場合があります。詳細は県農業経営課までお問い合わせください。
■定員
2026年2月末日までの期間中に30人程度
■申請方法
こちらから申請書一式をダウンロードし、記載した申請書を添付し申請してください。
■申請要件
「トライアル雇用就農促進事業助成金交付要綱(PDF:196KB)(別ウィンドウで開きます)」をご確認ください。
■問い合わせ
富山県農業経営課 経営体支援係
電話:076-444-3266