富山県内外でクマが大量出没し、市街地でも目撃情報が相次いでいることを受け、富山市科学博物館は同館でロビー展「富山にすむクマ」を開いている。県内に生息するクマの特徴や生態に関するパネルなどを展示。主任学芸員の清水海渡さんは「人ごとだと思わず、まずはクマを知り、関心を持ってほしい」と正しい知識を身に付けるよう呼びかけている。12月27日まで。

 クマの異常出没を受けて急きょ企画。移動博物館で学校に貸し出しているパネルを使い、パネル3枚と成獣のはく製を設置した。ツキノワグマの身体能力や性格について解説している。

 体重が成獣の雄で最大110キロにもなることや、最高速度40キロで走れ、木登りも得意といった特徴を記している。

 クマが生息する場所に近づかないことや、出合ってしまった際は落ち着いて背を向けずに対処することなどを説明。富山市のクマ情報サイトや、県が公開する目撃痕跡情報地図「クマッぷ」も紹介している。

 清水さんは「県内は豊かな自然環境が残っており、その恩恵も忘れないでほしい」と展示の意図を説明。「クマへの警戒は大切だが、怖がりすぎるのもよくない」とし、「正確な情報を知った上で適切な対策が必要」と語った。