富山県上市町稗田の木版画家、稲垣寿雄さんの個展が23日、同町のつるぎふれあい館で始まり、全国展での入賞作など迫力のある作品が一堂に会した。9月5日まで。

 稲垣さんは、60歳で退職した4年後に木版画家の故岩井幸子さん(朝日町出身)に師事して制作を始めた。16年目の今も精力的に制作活動を続けており、今回初めて個展を企画した。

 日本版画会展で最高賞を受賞した「山桜」をはじめ、剱岳の風景を地元の低山や県内各地から捉えた作品、初期の作「新緑の渓流」など18点を並べた。

 訪れた人たちが、深みのある色合いや版画ならではの温かな質感を鑑賞していた。

 会場には版画が完成するまでの過程を紹介するコーナーもある。北日本新聞社後援。