モナコで開かれている第18回モナコ世界演劇祭で22日夜(日本時間23日未明)、可西舞踊研究所(高岡市)と劇団文芸座(富山市)が合同公演を行った。ダイナミックなダンスと繊細な演技が融合した「ベルナルダ・アルバの家」を上演し、客席から異例の4回ものカーテンコールを受けるほど高評価を得た。

 富山県芸術文化協会の派遣事業。スタッフを含む15人が18日に富山をたち、現地を訪れている。

 公演はヴァリエテ劇場で行われた。「ベルナルダ・アルバの家」は、スペインの劇作家で詩人、ガルシア・ロルカの戯曲を舞踊化した作品で、可西舞踊研の可西晴香代表があらためて演出・振り付けした。文芸座の小泉博名誉会長が制作統括を担った。

 スペイン・アンダルシアの田舎を舞台に、夫の死によって家の主となった母親と自由に生きたいと願う5人の娘たちとの葛藤を熱演した。物語は娘の死という悲劇で幕を閉じるが、物悲しい音楽とモノトーンの衣装が、生と死を印象的に際立たせた。

 客席から感動の声が上がり、時には笑い声も聞かれ、大きな拍手が送られた。派遣団長の舟本幸人文芸座代表は「ガルシア・ロルカの作品がよく知られているモナコで、富山のグループの公演が高い評価を受け感謝している」と語った。

 芸文協はモナコ世界演劇祭に1989年から県内の団体を派遣し今回が7回目。一行は24日も公演を行い、27日に帰国する。芸文協と県、富山テレビ放送、北日本新聞社派遣主催。