核廃絶願い鐘鳴らす 原水禁高岡市連絡協議会
広島に原爆が投下された「原爆の日」の6日、県内各地で戦没者を追悼する式典が開かれ、出席者は平和の尊さを胸に刻んだ。
原水爆禁止高岡市連絡協議会(米谷信義代表理事)は、高岡市の二上山にある「平和の鐘」を突き、参加者が平和を願った。
会員ら18人が参加。米軍による原爆投下時刻の午前8時15分、米谷代表理事の号令で全員が黙とうをささげた。その後、参加者が次々と「平和な世界を」「核兵器廃絶」などと口にしながら鐘を鳴らし、一帯に厳かな音を響かせた。
高岡市三ケから訪れた義基(よしもと)みゑ子さん(77)は「忘れてはならない歴史を後世に伝えていきたい」と話した。長崎が被爆した9日には同市古城公園で署名活動などを行う予定。
被爆体験に聞き入る 伝承者の松田さん(広島)南砺で講演
被爆した体験を本人に代わって語り継ぐ「被爆体験伝承者」の松田久美子さん(75)=広島市=が、南砺市広瀬交流センターで講演し、小学生や高齢者ら住民約60人が聞き入った。
講演会は、同市竹内の真敬寺(しんきょうじ)の宮地修住職が5月に広島市の平和記念公園を訪れた際、伝承者の派遣事業を知って企画。広島への原爆投下から80年になった6日に合わせて招いた。
松田さんは、当時中学2年生だった故・葉佐井(はさい)博巳さんに3年間密着取材した。葉佐井さんの自宅は爆心地近くにあったが、15キロ離れた軍需工場に学徒動員されていたと説明。爆心地に近い学校にいたら犠牲になっていたとし、「できるだけ市街地から離れた工場へ行かせようという配慮もあったようだ」と語った。
被爆者が年々減る中、伝承者が活動を引き継いでいると言い、「忘れ去られると、また繰り返されるかもしれない。家族や近所の人にきょうの話を伝えてほしい」と呼びかけた。