第107回全国高校野球選手権富山大会(7月8~26日)は、未来富山の初優勝で閉幕した。猛暑の中での熱戦を振り返る。

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 創部8年目の未来富山はノーシードだったが、投打がかみ合い快進撃を続けた。昨秋の北信越4強の高岡第一、優勝候補の筆頭だった春の北信越王者・富山第一、県勢甲子園最多出場の高岡商を直接対決で下し、地力を証明する堂々たる戦いぶりだった。県勢の甲子園初出場校は2013年の富山第一以来で12年ぶり。春夏合わせて県内17校目の甲子園経験校となる。

攻守とも力強い堂々たる戦いぶりで初優勝した未来富山

成長した江藤がチームを牽引

 エース左腕・江藤蓮の成長が大きい。球速は最速が140㌔台半ば、平均140㌔前後で今春と同水準だが、フォームから力みがなくなって打者の体感スピードが上がった。「脱力」は本人も意識して取り組んだポイントの一つという。この真っすぐを軸に、制球力や変化球の多彩さなど超高校級の完成度を発揮し、4試合・30回で失点10(自責点5)、被安打23、奪三振37、与四死球14。身体も短期間でボリュームアップしてタフさを増し、猛暑の中、準決勝・富山第一戦を134球、中1日だった決勝も155球で完投した。江藤の負担を軽くしたもう1人の左腕・松井光成の台頭も見逃せない。

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