国の重要無形民俗文化財「滑川のネブタ流し」が31日、富山県滑川市の中川原海岸(和田の浜)であり、大勢の住民らがネブタの炎を眺めながら無病息災を祈った。
わらをむしろで巻いた「ネブタ」と呼ばれる高さ4~5メートルの大たいまつをいかだに載せ、火を付けて海に流す伝統行事。眠気やけがれ、病気をネブタに託し、火と水で消し去ろうという願いが込められている。同様の行事は、滑川市が日本海側の南限とされる。
海岸には海沿いの町内会など市内9団体が手作りした10基が並んだ。夕日が海を照らす午後6時半、地域住民や市外からの参加者らがネブタを載せたいかだを海へ押し流し、点火した。
赤い炎に包まれたネブタは「ボン」と大きな音を何度も立てながら、燃えて崩れていった。