国宝瑞龍寺(富山県高岡市関本町)の恒例行事「ひとつやいと」が1日、同寺で行われ、参拝者はやいと(おきゅう)の熱さに耐えながら手を合わせ、無病息災を願った。

 「ひとつやいと」は田植えが終わる時期の6月1日と7月1日に毎年行う。僧侶が厳しい修行の疲れを癒やすために始め、明治以降に農民に広がったとされる。

 参拝者は大茶堂に並んで座った。僧侶が両膝のつぼにもぐさを据え、線香で火を付けると、じっと熱さをこらえて健康を祈った。

 東京都から訪れ、初めて経験した大学4年生の内山杏菜さん(21)は「熱かったけど、不思議と膝が軽くなった気がする。来年もやりたい」と笑顔で振り返った。

 午前5時の開始に先立ち、四津谷道宏住職が青麻三光菩薩(あおそさんこうぼさつ)にもぐさと線香を供え読経した。