富山県高岡市の伏木曳山(ひきやま)祭実行委員会は9日、同市の伏木コミュニティセンターで総会を開いた。伏木地区で能登半島地震の復旧工事が進む中、5月16、17の両日の祭りでは、全7基の花山車(やま)がルートを縮小して奉曳(ほうび)き(巡行)し、目玉の「かっちゃ」も実施する方向で検討する。駐車場の確保が難しいことなどから、地区外からの誘客は行わない。

 伏木地区は地震で液状化被害などが出た。昨年は奉曳きのルートを例年の4分の1程度に縮小し、1基は山車を引かず、山倉前に展示した。提灯(ちょうちん)山車をぶつけ合う「かっちゃ」は、場所を変更して無観客とし、4基のみが参加した。

 今年は全7基が奉曳きに参加し、昨年より範囲を広げて山車を受け継ぐ6町を回る。かっちゃについて、実行委の針山健史会長は「やりたい方向で総々代と山町が協議している」と述べた。

 地震被害で駐車場の確保が難しいことなどから、地区外から誘客はせず、かっちゃを間近で見られる桟敷席も設けない。住民の観覧に関し、針山会長は「昨年以上に祭りを見て楽しんでもらえる環境づくりをしたい」との考えを示した。

 総会は約90人が出席。米谷和也総々代は「喜んでもらえる、勇気を感じてもらえる祭りにしたい」と意気込みを語った。