第71回全日本チンドンコンクールの最終日は6日、県民会館で本戦を行い、「アダチ宣伝社」(福岡県)が19年ぶり4度目の栄冠を勝ち取った。富山市の総曲輪通りと中央通りではチンドンマンが勢ぞろいした「大パレード」もあり、富山の春を彩る3日間を盛大に締めくくった。

 本戦は県民会館であり、プロチーム28組のうち、5日の予選を通過した8組が出場。トーナメント形式で、3分半の持ち時間で口上や練り歩きなどを競った。上位4チームによる決勝は「ますずし」をテーマに演技した。

 「アダチ宣伝社」は、歌手の小林旭さんの「自動車ショー歌」や「恋の山手線」の替え歌を披露。富山市内の老舗ますずし店の屋号を歌詞に取り入れ、ユーモアあふれるステージを繰り広げた。親方の足達英明さん(60)は「予選を敗退した時期もあり、優勝できて驚いている。多くの人に盛り上がってもらえ、ありがたかった」と話した。

 コンクールのフィナーレを飾る「チンドン大パレード」は同市の総曲輪通りと中央通りで行われた。プロチームの28組84人のほか、素人チームらがにぎやかに練り歩き、太鼓やトランペットの音色を響かせた。アーケードに詰めかけた大勢の観客は拍手をしたり、手を振ったりして楽しんでいた。

 夫婦でパレードを見た福井県福井市の会社員、浜本瑞穂さん(33)は「盛り上がりがすごかった。来月に男の子を出産するので、チンドンマンのように明るい子に育ってほしい」と笑顔を見せた。

 友人4人でプロチーム「チンドン芸能社 美香」(東京)の応援に来たという山形県酒田市の農家、白畑ちか子さん(67)は「チンドンコンクールを見るのが夢だった。間近に見られて楽しかった」と声を弾ませた。

 富山商工会議所と富山市でつくる実行委員会主催、県や北日本新聞社後援。

 ▽2位=チンドン芸能社梨乃(東京)▽3位=かわち家(長崎)チンドン芸能社美香(東京)▽敢闘賞=桜小路陽炎(富山)遊舞台(東京)こんぺい党(福岡)囃子家(大阪)