気付けばランチの時間を逃してしまった…そんなときには、通し営業のお店が頼りになります。どんなに慌ただしい日でも、好きなタイミングでごはんを楽しめるのがうれしいところ。何かと忙しい春こそ、しっかり食べて午後を乗り切りましょう!(情報は取材時の内容です)
COMMON(コモン)天下堂(富山市)
港町の洋品店で ゆったりカレーを

港のすぐそばに、樹齢500年の大ケヤキに包まれた2階建ての建物がある。1階は上質なアイテムが並ぶ紳士衣料洋品店。2階はカフェスペースで、カレーライスとハヤシライスを提供している。カレーはゆっくり煮込んだ牛すじ肉と野菜のうまみを数種類のスパイスで引き出しており、口に運ぶと奥深い辛さが広がる。食後はサイホンだてのコーヒーを片手に、ゆったりとした時間に浸りたい。

メニューは開店からいつでも注文可能。遅めのランチとコーヒーでくつろぐ人もいるそう。富山市岩瀬地区をぶらりと歩いて休みたくなったら、ぜひ訪れて。

とんかつや(魚津市)
ジューシーなとんかつを いつでも味わって

約60年にわたって地域の人々に親しまれるとんかつ店。きめの細かい衣はサクッと軽く、肉はやわらかくジューシー。豚の背脂で作られる「純正ラード」で揚げることで、衣の香ばしさと肉の甘みをいっそう引き立てている。

店は2代目店主の土居保さんと娘の武田千保登さん、夫の京介さんを中心に切り盛りしており、創業時から通し営業を続けている。「中休みを設けてもいいのでは」と千保登(ちほと)さんから土居さんに勧めたこともあるそうだが、「時間を気にせず食事を楽しんでもらいたい」との思いは変わらない。「それに、1回休むと戻れなくなるからね」と土居さんは笑う。

TACOS PEPE(タコスペペ)(富山市)
異国情緒を堪能 本場メキシコの味をいつでも

真っ赤な外観が目印のこの店では、タコスやブリトーなど本場のメキシコ料理を提供している。店主のピーター・クロフォードさんは、メキシコとの国境に近い、アメリカ・サンディエゴの出身だ。通し営業を続けているのは「いつでも開いているという安心感を届けたいから」。

注文を受けてから焼くタコス生地は、トウモロコシ100%の粉を使っていて香ばしい。「タコスはどんな具材もOK。メキシコには何万通りものタコスがある」とクロフォードさんは笑う。旬の野菜と具材、スパイシーな自家製ソースの織り成す複雑な味わいは、異国の香りに満ちている。
撮影:南部スタジオ、竹田泰子