県内で除雪作業中の事故が相次いでいる。雪かきの際に注意すべき点について、専門家らに聞いた。
人的被害で目立つのが、用水への転落だ。県防災士会の上田司穂事務局長は転落する要因について「スノーダンプを使って雪を用水に捨てる際、雪がダンプにくっついたまま落ちず、ダンプごと用水に転落してしまうケースが多い」と説明。一度に大量の雪を運べる道具ほど転落の危険性が高いとし、「筋力や体力に自信のない人は、小さめの道具を使って少しずつ除雪してほしい」と語る。
用水や側溝に捨てた雪が水をせき止め、あふれ出るケースもある。立山町では5日以降、町に10件以上の情報が寄せられ、その都度職員が現場で雪をかき出している。町の担当者は「家屋の浸水につながる恐れがある。一斉に雪を捨てず、下流域への配慮をお願いしたい」とする。
連日の降雪で屋根に雪が残る家も多い。上田事務局長は「軒下は、つららや雪が落ちてくる可能性があり大変危険」と指摘。屋根に上って雪下ろしをする場合は「2人以上で作業し、必ず命綱を着けてほしい」と呼びかけた。