浄土真宗の宗祖、親鸞の命日に勤める法要「御正忌(ごしょうき)報恩講」が15日、富山県高岡市伏木古国府の国宝勝興寺で始まった。能登半島地震の余震に備え、昨年は点火しなかった「デカローソク」と呼ばれる大ろうそくに、2年ぶりに火をともした。16日まで。
大ろうそくは高さ1・8メートルで、燭台(しょくだい)を含めると約3メートル。本堂に2本設置されており、報恩講に合わせて火が付けられる。門信徒は厳かな雰囲気の中、土山照慎住職の読経に合わせ、静かに手を合わせた。
勝興寺は戦国時代から近世にかけて「真宗王国」と言われる越中の信仰拠点として民衆に親しまれ、報恩講は大勢の門信徒が集まる一大行事だった。
教願寺(高岡市)の岡西法英住職は法話で、本山の本願寺と同時期に報恩講を勤めることを許されたのは、全国の別院・末寺で勝興寺だけと紹介した。石山本願寺と織田信長が争った合戦で、勝興寺が本願寺側に付いて参加した功績が評価されたためだと説明した。
16日は午前9時45分に大ろうそくに点火し、同10時から読経と法話を行う。