能登半島地震で破損した食器や木材を石川県輪島市産の漆を使って再生した作品の展示販売会が11日、富山市問屋町の複合施設「トトン」で始まる。九谷焼の破片を使って修復した茶わんや、珠洲焼のB級品の食器に漆や金を塗ったものなど約100点がそろう。2月11日まで。
トトンは家具販売の米三(富山市中央通り、増山輝社長)が運営しており、アップサイクル家具などを取り扱っている。同社のルーツに輪島産の漆器の販売があることから、復興に貢献しようと今回の催しを企画した。
再生は東京都と長野、石川両県を拠点に活動する美術家、ナカムラクニオさんが担当。損傷した陶器を漆や金などで修復する伝統技法「金継ぎ」を使ったボランティア活動に取り組んでいる。輪島、珠洲の両市にある自身のアトリエも被災し、家屋の端材を使った作品も制作した。
展示販売会の売り上げの一部は石川県内の畑に漆の苗木を植樹するプロジェクトに使われる。トトンの上野理絵さん(38)は「被災地を注目し続けることでできることもあると思う。ぜひ食器を使って応援してほしい」と話した。