県内外で飲食店を運営するアイデアン(黒部市前沢)は本社敷地に太陽光発電パネル搭載のカーポートを設置し、隣接する2店舗や社員寮に電気を供給している。再生可能エネルギーを活用し、環境負荷を減らし、電気代の節減を図る。今後、他の運営店舗でも再エネ導入を検討する。

 同社は県内外で飲食6店舗を経営する。業態の特性から食材を24時間冷蔵・冷凍する必要があり、コスト面から電力消費の低減が長年の課題だった。

 導入した太陽光発電パネル搭載カーポートは、YKK AP製のカーポートを使い、産業用太陽光パネルを扱う日本空調北陸(富山市)と、ハゼ式折板屋根製造の精田建鉄(同)が開発・製品化した。

 アイデアンの敷地には5月に設置した。高さ2・4メートル、屋根の面積は328平方メートル(車20台分)で、年間発電量は約5万6千キロワット時。隣接する「きときと寿し黒部店」「大阪王将黒部店」と社員寮に給電している。

 同社によると、日によっては両店の日中消費電力の半分程度を太陽光発電で賄えるという。猛暑だった今夏の導入効果を踏まえ、他の運営店舗への拡大を検討する。道路沿いの大型ビジョンに発電状況を表示する予定で、中尾順一会長は「見える化することで来店客に太陽光発電の効果を知ってもらい、環境意識の啓発につなげたい」と話す。