小泉進次郎農相は5日、東京の農林水産省内で開いたコメ加工品の輸出拡大に向けた試食会に出席し、富山市の企業が開発した冷凍すしを味わった。「本当においしい」と太鼓判を押し、富山のすしの味と冷凍技術の高さをアピールした。政府はコメの増産方針にかじを切っており、和食ブームに沸く海外需要に応じてコメ輸出を促進したい考えだ。

 出展したのは、すし店を中心に県内外で飲食店を展開しているビーライン。2日に握って急速冷凍し、5日朝に特殊な技術で解凍したすしを提供した。鮮度や食感、風味を維持できるのが特長といい、ネタは富山湾産のアマエビと射水市がブランド化を進めるサクラマスを用いた。

 農相は1貫ずつ食べ「本当にすごい。冷凍すしと言われても絶対に信じない」と笑顔で話した。「富山はすし県ですよね」と自ら切り出し、「冷凍すしが海外で展開できれば、付加価値の高いコメ製品を世界に出せる」と期待感を示した。

 同社のとやま鮨商品開発部長、谷村和慶さんは終了後、輸出には現地での解凍方法など課題が残っていると説明。「商品開発のスピードを上げ、3年後の実現を目指したい」と語った。

 試食会は他に東京などの6事業者が参加。冷凍弁当や冷凍チャーハン、米粉のたこ焼きやパンが並んだ。