射水市出身の落語家、立川志の輔さん。地元富山だけでなく、全国各地で開催する公演はチケットが即完売するなど人気は健在だ。来年2月、70歳の古希を迎える。時代の変化に柔軟に対応し、さらなる芸の精進に意欲を見せた。

webunプラスを操作する志の輔さん=てるてる亭

 志の輔さんは10月8日、てるてる亭(富山市中央通り)で開かれた昼公演の後、北日本新聞webunプラスのインタビュー取材に応じた。

 10月15日から始まる新聞週間に合わせ、新聞のデジタル化について聞くと「時代とともに物事が変化するのは仕方のないこと。文明の利器に移行するのは新聞も同じ」と語った。

紙好きな世代

 新聞は紙からデジタルに力を入れ、ニュースも翌日の朝刊だけでなく、スマホやタブレット、パソコン上でリアルタイムに更新されるようになった。「新聞と言えば新聞紙、紙が好きな世代。記事を読んだ後の古新聞で弁当を包み、ぬれた靴を乾かした」と思い出を振り返った。

「記事が動くね」。大谷翔平選手の特集ページに興味津々

 今も紙の新聞を愛読しながら、スマホでも記事を見るという志の輔さん。「ニュースの方からスマホやタブレットに飛び込んでくる。新聞は買うもの、届けてもらうものと知らない人もいて、たまに号外なんかが出ると大変な騒ぎになる。あっ、新聞って紙なんだ、って(笑)」

両方知る幸せ

 時代に合わせて変わるものと変わらないもの。志の輔さんは「私たちは紙とウェブの両方を知る幸せな世代。時代や新聞の形が変わっても、富山の人が知りたい情報を届けてほしい」と注文した。

てるてる亭15周年記念公演で「千両みかん」を披露する志の輔さん

 地元富山を愛する志の輔さんが変わらず続けていることがある。てるてる亭で毎月開催する独演会「志の輔のこころみ」だ。

残り334文字(全文:1078文字)