いよいよ決戦だ。第105回全国高校野球選手権の県代表・富山商(9年ぶり17度目)は大会第4日の9日、第1試合で佐賀代表の鳥栖工(初出場)と対戦する。16強入りした2019年以来、甲子園での勝利がない富山県勢。はたして4年ぶりの初戦突破を果たすことはできるのか。さまざまなデータを調べるうちに、興味深いことに気付いた。
■通算成績は3勝2敗
夏の甲子園で、富山県勢の通算成績は30勝62敗1分け。36都道府県と対戦してきた。通算の勝率は3割を超える程度で、決して好成績とは言えない。ただ、3回以上対戦した16都道府県のうち、4道県に対しては富山が勝ち越している。北海道、愛知、滋賀、そして佐賀だ。佐賀には通算3勝2敗で、ほかの3道県はいずれも2勝1敗となっている。
過去の富山県勢と佐賀県勢の5試合をピックアップしてみた。
◇2018年8月7日▽1回戦
佐賀商
000 000 100=1
000 010 30X=4
高岡商
(佐)木村-本嶋
(高)山田、大島-筏
▽本塁打 井林(高)▽二塁打 田嶋(高)
◇2004年8月10日▽1回戦
佐賀学園
000 102 020=5
403 003 00X=10
富山商
(佐)野口、沢田、堤-山下
(富)滝、二瀬、滝、二瀬、滝、二瀬、滝-東
▽二塁打 相原、堤、山下(佐)杉本、黒部、宮田直(富)
◇2003年8月19日▽3回戦
富山商
010 020 000=3
210 003 00X=6
鳥栖商(佐賀)
(富)長江-山元
(鳥)重野-富岡
▽三塁打 宮田、金田(富)▽二塁打 中沢(富)日高、重野(鳥)
◇1983年8月11日▽1回戦
鳥栖(佐賀)
010 410 000=6
100 100 000=2
桜井
(鳥)内山-堀江
(桜)田中-山岸
▽三塁打 石倉(桜)▽二塁打 徳田隆、坂本、堀江(鳥)
◇1973年8月12日▽2回戦
富山商
240 001 000=7
030 010 000=4
唐津商(佐賀)
(富)松田、豊島-肥田
(唐)草場-宮崎
▽三塁打 田中、松田、篠田(富)小山2(唐)▽二塁打 池田(唐)
過去5戦のうち、2003年の鳥栖商戦以外はすべて初戦。1973年の富山商、2018年の高岡商は初戦で佐賀代表を破り、勢いに乗って次の試合でも勝利している。富山商に限って言えば、3回にわたって佐賀県勢と顔を合わせ、2勝1敗となっている。過去のデータをひもとけば、比較的相性の良い県を引き当てたということが言えそうだ。「鳥栖」の名が付く学校に2戦2敗という点は少々気になるが…。
■勢いが怖い鳥栖工
これらはあくまで過去のデータに過ぎない。大切なのは今、強いかどうかだ。そこで鳥栖工の佐賀大会の成績を調べてみた。今夏の佐賀大会は36校が出場し、2回戦から登場した鳥栖工は5試合を戦った。
初戦の2回戦は春季県大会優勝校で全国制覇の経験もある佐賀北に2-1。