「学食」が消えつつある県内の高校で、がっつり飯やパンケーキなどをメニューに加え、生徒の心、いや胃袋をつかんでいる食堂がある。生徒数の減少や食材価格の高騰で運営はどこも厳しいが、取材した食堂は、いつの時代も変わらない生徒への愛情があふれていた。

南砺福野高のシンボルである国指定重要文化財の巖浄閣。近くで昼食を取る生徒も=南砺市苗島

 「精肉店が運営する食堂ならではのメニューがあります。よかったら、食べに来てください」。こう誘ってくれたのは、南砺福野高校事務部長の橋本正俊さんだった。同窓生が経営する地元の花島精肉本店が「採算度外視」で食堂運営に協力しているという。

一番人気のチャーシュー丼。温泉卵のトッピングがうれしい

 橋本さんと早速、食堂へ向かった。生徒アンケートで1位になったことがある「チャーシュー丼」(380円)を

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