
出産後も働く女性の割合は過去最多となった(画像提供:PIXTA)
「女性は結婚出産で辞めるから」。そんな陰口はもはや過去のものになりつつあるのかもしれない。2020年度に第1子を出産した女性のうち、有職だった人の割合は62.9%で過去最多を更新した。仕事に家事に育児と分刻みのスケジュールをこなす子育て世代。洗濯乾燥機やロボット掃除機など「新・三種の神器」からは、少子高齢化の波で人手と労力が限られる中、家事の自動化・効率化に苦心する県民の姿が浮かび上がった。法政大キャリアデザイン学部の武石恵美子教授(女性労働論・人的資源管理論)に、働き方の現状と課題を語ってもらった。
女性の離職↘ 男性の離職↗
2010年ごろから育児中の女性の就業率が上がってきた。これは大きな変化。非正規の女性の就業率はまだまだ低いものの、正社員の女性で妊娠・出産を理由に離職する人はぐっと減った。
結婚出産を機とした女性の退職は、職場で起こる男女差別の一番の理由だった。その前提がなくなることで、企業は女性の採用に積極的になり、男性と同じように女性社員を育てるモチベーションが高まっている。
一方、労働市場の流動化で男性の離職が増えつつある。男女の勤続の差がなくなりつつあり、女性活躍推進のバックグラウンドが整ってきた。
女性活躍 舞台は整ったが…
とはいえ、育児の負担は相変わらず女性に偏っている。
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