おいしい料理と、本棚にずらりと並んだ漫画があれば、もう言うこと無し!漫画にフォーカスし、喫茶店や洋食レストラン、ラーメン店などを巡りました。登場するのは、どれも地域から愛されている名店ばかり。あの漫画には店主の個性と店の歴史が映し出されていました。(情報は取材時の内容です)

ぽてとぼーい

ユニークなマスターと多彩な料理がお出迎え

「オムライス ホワイト」(1,380円)ホワイトソースのまろやかさとケチャップライスの酸味のバランスが抜群。ボリュームがあるがどんどん食べ進められる

 淡いピンク色の革張りソファ、天井まで積み重ねられた漫画本…。「一人1100円、二人で3万円ね!」とマスターの池田和正さんがユーモアたっぷりに話す。ノスタルジックな店内と池田さんの陽気な人柄が相まって、店内は温かい雰囲気。初めてでも気兼ねなく過ごせそうだ。

マスターの池田さん。店名は1980年代の青年漫画「JUNK BOY」に出てくる雑誌の名前にちなんだそう
 

 メニューはカレーや麺類、定食など約200種類にも及ぶ。どのメニューも2人前が基本の量で、オムライスならご飯が400gという大ボリューム。近年はデカ盛りの店として口コミが広がり、若い人の来店が増えているそう。おなかをすかせてチャレンジしてみて。 

この店のマンガ
5000〜6000冊ほど
ジャンル→→青年・少年漫画が多い 
NEW(一番新しい巻)→「島耕作」シリーズ
OLD(一番古い巻)→「こち亀」「美味しんぼ」
「味噌煮込みうどん」(1,650円)愛知県岡崎市の八丁みそを使用。まろやかで深みがある

コーヒーハウス マイケル

レトロな雰囲気で穏やかなひととき

「焼きカレー」(800円、ミニサラダ付き)中にはハンバーグも入っており、ボリュームたっぷり

 洋楽のBGMが心地よいボリュームで流れる。レトロなゲームテーブルは今も現役で稼働し、一昔前にタイムスリップしたよう。清水千恵子さんがママ友らと気軽におしゃべりできる場所をつくりたいと40年前にオープンした。

コーヒーを入れる清水さん。1年以上通ってくれた人にはマイカップを贈るそう

 10年前に商店街の一角に移り、幅広い年代の常連客から愛されている。どのメニューも食べ応え十分で、名物の「焼きカレー」はチーズが器からあふれるほど。漫画を読みながらランチを楽しんだり、カウンター越しにおしゃべりしたり…。清水さんと、後を継いだ長男の英洋さんは訪れた人たちがリラックスできるひとときを思い思いに過ごしてほしいと願っている。

この店のマンガ
1000冊ぐらい
ジャンル→青年漫画や少年漫画が多いかもしれません
OLD→「What’s Michael?」
NEW→「東京卍リベンジャーズ」
「フルーツサンド」(650円)旬のフルーツを挟む。素朴な甘さがくせになる

とんかつ旭屋

おなかも心も満たすこだわりのとんかつ

「極厚とんかつ定食」(1,300円)ほかに「スーパー極厚とんかつ定食」(1,600円)、「厚切とんかつ(大)定食」(1,100円)がある

 国道8号沿いに店はたたずむ。とんかつや唐揚げ、フライなどがメインのボリュームたっぷりな定食をそろえる。自慢のとんかつはうまみとやわらかさを併せ持つ三元豚ロース肉を使う。さらに秘伝のたれに漬け込み、おいしさを引き立てる。

店長の村田毅さん。「いつ来ても楽しめるようにいろんなメニューをそろえています」

 特注の生パン粉を薄く付け、切れのいい油でからっと揚げており、外はサックサク。やわらかな肉と相まって箸が止まらなくなりそうだ。食いしん坊のニーズに応える250gや180g、女性でもぺろりと食べられる140gから選べる。おなかも心も満たされる絶品とんかつをご賞味あれ。

この店のマンガ
300冊ほど
ジャンル→少年漫画。「はじめの一歩」「スラムダンク」のようなスポーツ物が多数
NEW→「ONE PIECE」
OLD→「ドラゴンボール」
「でか盛鶏唐揚げ定食」(1,000円)山盛りの唐揚げが楽しめる。大盛りのご飯、サラダ、みそ汁が付く。1日10食限定

志水食堂

心ほぐれる空間でトンテキを満喫

「トンテキ定食」(1,200円)かむと肉汁があふれ出るほどやわらかいので、年配の人にもおすすめ。ご飯、みそ汁、小鉢、おしんこが付く

 地元では「しみしょく」という愛称で呼ばれている1974年開店の大衆食堂。のれんをくぐると、神棚や招き猫が置かれた落ち着いた雰囲気にほっと心が癒やされる。30年ほど前に店を継いだ2代目の清水豊司さんが妻と切り盛りする。「早くて、おいしいがモットーです」と清水さん。

店主の清水さん。「平日限定の日替わり定食もおすすめですよ」

 麺類、定食、丼物など多彩なメニューをそろえる。この中でぜひ味わいたいのが「トンテキ定食」。やわらかな豚肉のステーキをしょうゆベースのソースと絡めて楽しめる。富山では珍しい大阪発祥の「かすうどん」もおすすめ。心ほぐれる空間でじっくり満喫しよう。

この店のマンガ
約250冊
ジャンル→青年漫画。車が好きなので8割は車関係
NEW→「MF ゴースト」
OLD→「湾岸MIDNIGHT」
「かすうどん」(700円)外はカリカリで中はジューシーな「かす」(牛の小腸を油で揚げたもの)と少し甘めのスープ、もちもちの太麺のハーモニーが楽しめる

カレーの店 カリカット

老若男女に愛されるカレー

「野菜玉子コロッケカツカレー 」(並1,200円)こくがありつつあっさり。子どもでも食べやすいように甘めの味付けで、辛さは調整可

 富山大学近くにあるカレー専門店。1972年の開店以来、地域の人に親しまれてきた。看板メニューの「野菜玉子カレー」は滑らかなカレーの上にトロトロの薄焼き卵がのっている。ルーと一緒に味わうと一層こくが増してまろやかに。チキンカツやクリームコロッケなどトッピングの種類も豊富で、好みの組み合わせを探すのも楽しみの一つだ。

マスターの餘久保さん。「カレーのルー、もう少しいる?」「また来てね」とお客さんに優しく声を掛ける

 メニューはどれもボリューム満点で、マスターの餘久保隆志さんは「長いことやってたら、だんだん量が多くなってきてね」と笑う。半世紀にわたり変わらない味と、マスターの温かい人柄に引かれて通い続ける常連も多い。

この店のマンガ
500冊ぐらい
ジャンル→少年・青年漫画が中心。少女漫画は学生が卒業して引っ越す際に置いていきました
NEW→「ヒカルの碁」
OLD→「沈黙の艦隊」
「野菜玉子チキンウインナーピラフ」(並1,200円)しょうゆベースの味付けで香ばしい。トッピングも全て自家製