農作物の収穫に感謝するイベント「土徳祭(どとくまつり)」が9日、富山県南砺市の城端別院善徳寺で開かれた。入場料の代わりに来場者が持ち寄った野菜を、料理人がその場で調理。旬の味を共有し、自然の恵みと人のつながりを実感した。

 南砺市を含む県南西部には、浄土真宗の教えや人々の暮らしから生まれた「土徳」の思想が根付いている。イベントは食や音楽、人との交流を通じてその精神を体感してもらおうと、市内の農業グループ「なんとのね」代表の山崎佑二郎さん(44)らが昨年に続き企画した。

 会場では「ギブミーベジタブル」と題し、県内外の料理人ら12人が持ち込まれた野菜や果物を使って創作料理を提供した。来場者は旬の野菜をふんだんに使ったマリネやスープを味わった。地元産の野菜や工芸品の販売、土徳をテーマにしたトークイベント、音楽ライブもあった。