石破茂首相の退陣表明を受けた4日の自民党総裁選で、高市早苗さんが勝利し女性初の総裁に就任、日本の憲政史上初めて内閣総理大臣に女性が選出される可能性が出てきた。
海外では、高市さんのお人柄を含め、ジェンダー平等の指数が低いとされる日本での女性首相の誕生に向けたニュースとして伝えられ、今後の動向についての高い関心が感じられた。
私自身、今回の総裁選でどなたが選ばれても日本のために頑張ってほしいという思いだったが、高市さんに決まり、女性首相はこの時代に大いに喜ばしいことだと感じた。彼女が「ガラスの天井」を破ることで、さまざまな方が勇気づけられるのではないか。
しかし、高市新内閣への道筋は直線的ではなさそうである。このコラムを執筆した時点で、公明党の自公連立からの離脱により、政権の枠組みは不透明感を増している。与野党間の多数派工作で、新首相を指名する臨時国会の日程が決まらず「総理・総裁」分離期間が続く一方、月末にはアメリカのトランプ大統領の来日も控えており、綱渡りの状況が続いている。
また、初の女性首相による内閣が発足したとしても、衆議院がいつ解散されるのか、予算編成をはじめ財政・外交といった重要政策はどうなるのかなど、懸案は山積みで、晴れやかな「ご祝儀感」は急速に薄れそうだ。
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