「日本の棚田百選」に選ばれている富山県氷見市長坂の棚田で27日、県内外の棚田オーナーたちが秋晴れの下、稲刈りに汗を流した。

 市棚田保全推進会議が担い手不足による荒廃を防ぐために始めたオーナー事業の一環。27年目のことしは41組が登録し、5月にコシヒカリの苗を植えた。

 この日は25組124人が参加。棚田を管理している地元農家の「椿(つばき)衆」から教わり、鎌で刈り取って束ねた稲をはさに掛けた。ハンドボールチーム・富山ドリームスの選手ら7人もボランティアで加わった。

 長坂の藤井隆区長によると、昨年は能登半島地震の影響で収量が20%減ったが、ことしは地震前の量に戻り、品質も良いという。

 千葉県市川市の会社員、松崎良祐さん(36)=富山市出身=は「故郷との縁が続くようにとオーナーになった。もちもちとおいしい米なので食べるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 作業後は長坂で取れた新米のおにぎりを味わった。竹とんぼを作って飛ばす体験もあった。

 10月中旬、収穫した米20キロを各オーナーに届ける。