10月5日に富山市総曲輪のグランドプラザで開かれる市合併20周年を記念したイベントに、市内3カ所の曳山(ひきやま)が一堂に集まる。市民に各地域の伝統文化に親しみを深めてもらおうと、市が初めて企画した。当日は曳山のほか、9団体がステージで踊りや演奏を披露。市内の特色ある伝統芸能が競演する。21日は曳山を展示する八尾町東町の住民が、搬送に向けて準備を進めた。
イベントは「未来へつなぐ とやま伝統芸能の祭典」。越中八尾曳山祭(八尾町)、岩瀬曳山車(ひきやま)祭(岩瀬)、高砂山願念坊(がんねんぼう)祭(下大久保)で巡行している3基を展示する。特設ステージも組まれ、各地区の住民がおわらや願念坊踊り、岩瀬まだらを披露する。
曳山は各地域の住民が事前に解体。専門業者に会場に運んでもらい、イベント前日までに組み立てる。
21日は、3基のうちの一つ、八尾町東町の住民12人が同町の山蔵で曳山の備品を確認した。蔵から運び出し、状態や組み立てに必要な部品がそろっているかなどを確かめた。新井弘自治会長は「おわらだけでなく、八尾の曳山の文化もたくさんの人に知ってもらいたい」と意気込んだ。
イベントでは各地の農作物も販売する。市の担当者は「伝統芸能を楽しんでもらいながら、富山市の多彩な魅力を感じてほしい」と話した。