プロ野球独立リーグ・日本海リーグの富山GRNサンダーバーズは15日に富山市民球場で臨む最終戦で、後期優勝を懸けて石川ミリオンスターズと対戦する(午前11時開始)。崖っぷちに追い込まれた8月末から3連勝を飾って現在は首位。勝つか引き分け、敗れても2点差以内なら、前期に続く完全優勝で2年ぶりのリーグ制覇が決まる。
今年の日本海リーグは、サンダーバーズと石川が、前期、後期とも各20試合で競う。両チームとも、うち5試合を準加盟の滋賀ハイジャンプスと行い、この成績も含めて順位や個人タイトルが決まる。
5月5日~7月7日の前期はサンダーバーズが13勝6敗1分で優勝した。開幕から1勝5敗と負けが先行したが、打撃が上向いて5月31日~6月29日に9連勝を含む11戦負けなし(10勝1分)を記録。最終的に石川に3ゲーム差をつけた。チーム打率は.310に達し、主軸を担い打率.408、3本塁打、27打点の瀧野真仁がMVPに選ばれた。
後期は現在、サンダーバーズが11勝8敗で首位に立ち、10勝9敗の石川が追う。勝率で並んだ場合は得失点差で順位が決まるが、こちらも富山が5点リードしており、石川が優勝するには最終戦で3点差以上をつけて勝つ必要がある。後期優勝が石川だった場合は9月19~21日に2戦先勝方式のリーグ優勝決定プレーオフが行われる。
サンダーバーズは後期も8月16日まで7勝4敗で首位を走った。しかし、主力選手の負傷離脱や、猛暑と連戦による疲労の蓄積などが影響して得点力が低下し、同17~30日に1勝4敗で急ブレーキがかかる。首位から陥落し、残り4試合の時点で石川との差が1.5ゲームに開いて後がなくなった。

地元出身の玉生と境が殊勲
迎えた同31日の石川戦も七回まで2―3でリードを許す苦しい展開だったが、そこから粘って5―4でサヨナラ勝ちしたのが大きかった。ヒーローは富山商高OBの玉生貴一と、新湊高OBの境勇惺。八回二死二、三塁で玉生が逆転の2点タイムリーをレフト前に運ぶ。その後に追い付かれたが、4-4の九回裏二死満塁、境がライト前にサヨナラ打を放った。

玉生は石川のセットアッパー・北浦遼那が得意とするインコースのスライダーを振り抜いた。前期は打率.074と低調だったが、後期に限ると現在リーグ2位タイの.353。同僚の幌村黛汰から借りたバットの感触がしっくりきて同じモデルを使い始めたのが飛躍のきっかけだった。