還暦を迎えた歌手の松本伊代が10月に東京でワンマンライブ「“Journey”and Sweet Sixty」を開く。「かわいらしい曲ばかりをスイートに、ど派手に歌います。皆さん一緒にジャーニーしましょうね」と呼びかける。

 恩師の筒美京平が作曲した「センチメンタル・ジャーニー」で1981年にデビューした。リクエストがあれば、何度でも歌いたいのがこの曲。ライブでは「皆さんも“16歳”に戻ってくださいね」と語りかける。「当時の気持ちで一緒に歌って踊ってくれたら、うれしいんです」

 80年代を代表するトップアイドルとして活躍するも、自身は「もっとかわいい声になりたい。もっと高い音を出せるようになりたい」ともがいていたと明かす。2004年発売の「松本伊代BOX」のライナーノーツで、筒美が松本の声を「私の好きな三大ボイスの一つ」と評したことが「ただうれしくて、声は変えられないけれど、このまま歌っていけばいいんだと思えるようになった」と話す。

 デビューから40年以上の歩みを「あっという間でした」と振り返る。今回のライブの音楽監督を務める船山基紀が編曲を手がけ、林哲司が作曲した1986~87年リリースの「恋愛3部作」も転機の一つ。「信じかたを教えて」「サヨナラは私のために」「思い出をきれいにしないで」で大人の女性の恋愛を歌い、成長できたことを実感したという。

 今回のライブでは還暦祝いにちなみ、観客と赤色の物を一緒に振り回して「赤く染まるお客さまが見たいな」と期待する。

 今後は「声が出る限り、歌い続けたい」と松本。夫でタレントのヒロミから掛けられた言葉「いつだってアイドルでいなくちゃダメだよ」がプロ意識を支える。でも、今回のコンサートには「なるべく来てほしくないんですよね。ダメ出しされちゃうから」と笑った。

 ライブは10月4、5日東京・大手町三井ホールで。