立山町によると、20日午前6時半ごろ、同町三ツ塚新の県道で、成獣のクマ1頭がごみステーションにごみを出そうとしていた80代女性を後ろから突き飛ばした。クマはそのまま逃げた。女性は左肩と右腰に引っかき傷を負った。県内でのクマによる人身被害は今秋初めて。
町職員が防災無線で注意を呼びかけ、警察や猟友会が周辺をパトロールした。
「数年前にも出没した」
「おっとろしい。外にも出られん」。近隣住民たちの間で動揺が広がった。
住民の高齢男性によると、女性は一輪車を押してごみステーションに向かっていた。一輪車が倒れる「ガシャーン」という音を聞いた別の住民が外に飛び出すと、逃走するクマを目撃したという。
すぐ近くの末三賀や向新庄地区でも16、17日にクマの痕跡が見つかっている。この高齢男性は近くで数年前にも出没したとし、「常願寺川沿いに下りてくるのだろう。わずかな距離でも車で移動するなど、気を付けている」と話した。
現場近くでは、上市署のパトカーが警戒に当たる中、車でごみ捨てに向かう住民の姿が見られた。【20日午前11時50分更新】