富山高校演劇部のOGらでつくる「とやま朗読劇の会」は11日、富山市の県民小劇場オルビスで公演「戦争とふるさと富山~平和への誓い」を開いた。メンバー11人が戦争体験者の手記や遺書、命の尊さを伝える詩を朗読し、来場者に平和の大切さを語りかけた。

 1945年8月2日未明の富山大空襲で、富山大和の支配人だった父を亡くした藤崎英子さんの体験記を紹介。職場で命を落とした父の手足の先は、戦火で骨が見えていた。母がその骨をハンカチに包んで持ち帰ったという。「二度とこんな戦争はしてほしくない」と読み上げた。

 県出身の特攻隊員、枝幹二大尉が両親への感謝や国のために命をささげる喜びを記した遺書を披露し、来場者は迫り来る死を覚悟した当時22歳の若者に思いをはせた。

 戦争を題材にした谷川俊太郎さんの詩や、沖縄慰霊の日に読み上げられた詩なども朗読した。

 とやま朗読劇の会は、毎年8月に戦争の悲惨さや平和の大切さを伝える朗読劇を開いている。