ソロアーティスト「Little Black Dress」の名義で活動するシンガー・ソングライターの遼がメジャーレーベルから1作目となるアルバム「AVANTGARDE」をリリースした。歌謡曲とロックの要素が合わさった“歌謡ロック”で「今やりたいポップスが作れました」と自信をのぞかせる。

 1998年生まれだが、祖母らの影響で歌謡曲を聴いて育った。「思い出に残っているのは寺尾聡さんの『ルビーの指環』。歌謡曲が絵本代わりでした」。幼い遼を引きつけたのは、情景が浮かんでくる詞と、キャッチーで覚えやすいメロディー。「今は、人間くさい哀愁が感じられるところも好きです」

 ダークに自らを鼓舞する表題曲「アヴァンギャルド」や、強くあろうとする女性の生きざまを歌う「PLAY GIRL」など、ガツンとくる収録曲は「いい意味のダサさというか、おしゃれにし過ぎない感じを目指しました」。

 こだわりは詞の言葉選びにも表れている。「チクショー飛行」では「ピンチ上等」「チクショー」と、日常生活ではあまり使わない単語をシャウト。その印象の強さも相まってか、ライブでは観客も力いっぱい叫ぶという。

 アルバムリリース後も、創作意欲は高まるばかり。「オリジナル曲はまだ28曲。聴く人に『ジャンルなんだっけ!?』て思ってもらえるぐらい曲ごとにがらっと雰囲気を変えながら、とにかくたくさん曲を作りたいです」