富山県美術館で開催中の企画展「石岡瑛子I(アイ)デザイン」の閉幕が29日に迫る中、世界的デザイナー、石岡瑛子(1938~2012年)の革新的な作品に触れようと、美術ファンらが続々と会場を訪れている。27日はギャラリートークがあり、来場者が解説を聞いて作品に込められた熱意に理解を深めた。

 同展は石岡による広告のポスターや書籍、レコードジャケットなど約500点を展示している。

 ギャラリートークでは、江尻育世学芸員が制作時のエピソードや時代背景を説明した。石岡がパッケージを手がけた商品のコーナーもあり、「山本海苔店」ののりの缶や箱のデザインにはグラフィックデザイナーの父と妹も携わったと紹介。「アーティスト一家ならではの家族による合作だった」と語った。

 石岡が憧れの存在という石川県小松市のデザイナー、横山真紀さん(56)は作品を見て「仕事のクライアントやユーザーのことを思い、その期待に応える力量を感じた」と話した。

 ギャラリートークは28日午前11時にも行う。開館時間は午前9時半~午後6時(入館は午後5時半まで)。県美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、県主催。