ススキとわら縄を使った昔ながらの雪囲い「オオダレ」を編む作業が、富山県南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で進んでいる。県内外から入る注文に応えるため、今年は例年より前倒しで作業を始めた。
相倉では、集落の保存財団が合掌造り家屋を豪雪から守るオオダレを製作している。財団が管理する空き家に使う分と並行して、一般住宅や寺などから受注したオオダレも作っている。
平地域の7人が技を継承しているが、生産が追いつかなくなったため、夏から秋にかけて行う作業を前倒しし、今月中旬から取りかかった。23日は、川崎眞千子さん(71)=相倉=と浦田夏子さん(52)=篭渡=が、180センチ四方の受注品を1枚編み上げた。2013年に福井県から移り住み、技を受け継ぐ浦田さんは「縄の縛り方やススキの組み合わせ方などに知恵が詰まっていて楽しい」と話した。