中央農業高校は29日、富山市東福沢にある同校の水田で、雑草の生育を抑えるロボット「アイガモロボ」とドジョウを使った「ドジョウ農法」による水稲栽培をスタートさせた。この二つをかけ合わせた栽培は2022年から続けており、今年は肥料を工夫してより環境に配慮して進める。
生物生産科作物科学コースの稲作専攻の生徒が担当する。アイガモロボは田んぼを動き回って泥を巻き上げ、水面下の光を遮ることで雑草の成長を抑える効果が期待できる。ドジョウは田んぼに隣接するいけすで育て、排せつ物を肥料にしていく。
新たに取り入れた肥料は、有機質のペースト状の肥料。田植えと同時に入れ、その後は追加で与える必要がないため、作業負担の軽減につながるという。マイクロプラスチックを排出しない特徴もある。生徒たちは27日に肥料を与え、田植えをした。
この日は3年生4人が約10アールの水田にアイガモロボを放した。佐賀弘太朗さん(17)は「環境に優しい作物を作れるよう取り組んでいきたい」と話した。
現場でロボに「ジローラモ号」と名前を付けたことも紹介。有機稲作に取り組むパンツェッタ・ジローラモさんを学校評議員に迎えたことにちなんだ。作業前に実験開始セレモニーが同校であり、今回の肥料を扱う片倉コープアグリ(東京)の社員から説明を受けた。
コメの収穫は9月末~10月上旬を見込み、販売も行う。