国土地理院は、富山県の立山・弥陀ケ原周辺の火山活動で形成された地形や噴出物の分布を地図にまとめ、22日に同院のウェブサイトなどで公開した。噴火に伴う災害の予測などに役立ててもらうのが狙いで、同院によると地形分類の詳細な分布が明らかになるのは初めて。

 公開したのは「火山土地条件図」。国内に111ある活火山のうち、国が特に防災対策が必要と定めた51火山で順次作成しており、弥陀ケ原で32例目となる。

 空中写真や地形データの解析に加えて現地調査を実施。地形を形成した火山活動の年代や、溶岩流や火砕流といった噴出物の分布を調べ、地図上に色分けして示した。このほか、氷河の流動で生じた堆積物や、1858(安政5)年の飛越地震で発生した「鳶崩れ」に伴う土砂などの分布も盛り込み、豪雨や地震災害のリスク評価にも活用できるようにした。

 火山土地条件図は、他県では防災計画の策定などに活用されており、同院は「火山防災の基礎資料にしてほしい」としている。

 弥陀ケ原では2012年以降、地獄谷周辺で熱活動が活発な状態が続き、16年からは気象庁による常時監視が行われている。