富山市で8日、クマの目撃や痕跡の情報が相次いだ。吉岡では午前7時半ごろ、クマとみられる動物が田んぼを走っている姿を、住民が自宅から撮影した。距離は100メートルほどで、撮影者の家族は「まさかこんな近い場所に出るとは」と驚いた様子だった。

 吉岡では午前5時ごろ、住宅敷地内で住人がクマのふんを発見。近くの田んぼで成獣とみられる足跡も見つかった。同8時20分ごろには約800メートル離れた石田で、成獣1頭を住民が目撃した。

 周辺地域では出没情報が連日あり、月岡小と熊野小は今週、児童の保護者に登下校時の送迎を要請。8日は蜷川小、堀川中に通う蜷川地区の一部児童生徒らも同様の対応を取った。

 市内ではこのほか、大沢野地域の直坂で、ふんとカキの木に登った痕跡が見つかり、万願寺でクリの木に登った痕跡が確認された。八尾町東町ではふんが発見された。

砺波・庄東小付近で情報 痕跡確認できず

 8日午前7時35分ごろ、砺波市庄東小学校付近で、通学途中の児童がクマらしき動物を目撃し、同校が市に連絡した。市は砺波署や市鳥獣被害対策実施隊と周辺を調べたが、姿や痕跡は確認できなかった。

 同校は保護者にメールで連絡したほか、校内の扉や窓の施錠を徹底し、屋外活動を取りやめた。痕跡が確認されなかったことから通常通り下校し、市が周辺をパトロールした。

 同校近くの般若中学校も生徒に注意を呼びかけた。

 このほか、市内ではAIカメラが7日に徳万で、8日に庄川町小牧でクマ1頭を確認した。