アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、世界の旅行先で「2025年に行くべき52カ所」の一つとして、富山市を選びました。
取り上げられた飲食店を紹介する連載は今回が最終回。最後を飾るのは、おでんが有名な居酒屋です。(情報は取材時の内容です)
飛弾(富山市)
手作りこんにゃく・練り物にこだわり
10席限定のおでん居酒屋
大きなおでん鍋を、L字カウンターの角にどんと据える。くつくつと煮込まれ、湯気がだしの香りとともに薄暗い店内に立ち上る。10席限定の店内はどこに座ってもおでんの魅力から逃れられない。

「おでんを年中食べられる店を出したい」と店主の飛弾翔二さんが2019年に構えた。「おでん種はできる限り自分の手で」がこだわりで、こんにゃくや豆腐、練り物は手作り。ここでしか食べられない味を求め、連日予約が重なる。

具材に応じて煮込み時間を変えている。こんにゃくは口の中ではじけるような食感
ニューヨーク・タイムズに掲載されてから、中国や台湾、アメリカからの客が増えた。「日本独自の居酒屋文化を楽しんでもらえ、うれしいです」とほほ笑む。

広島・因島産のレモンをジンに漬け込んだ。人気の一杯
撮影:竹田泰子

富山に実際足を運んだ外国人は何に関心を持っているのでしょう?
ニューヨーク・タイムズで紹介された富山市ガラス美術館が入る「TOYAMAキラリ」前で、インタビューしました。



取材を終えて…
語学力に自信がなく、翻訳アプリの入った携帯を握りしめて臨みました。この3組以外の訪日客にも尋ね、どの組にも快く話を聞かせてもらい、ありがたかったです。
ただ残念だったのが、「富山で食べたいものは?」と聞くと「ここでは食べない」、「これから他県に行くから」という返事があったこと。世界の旅行先として富山市が選ばれたことについては、 聞いた人の中ではほとんど知られていませんでした。ニューヨーク・タイムズの影響でガラス美術館を見に来る人が増えたのでは、と見立てて美術館前で取材したのですが…。
県外から来た日本人にとって、富山は立ち寄り先で、本命の旅行先は隣県、というパターンをよく聞きます。すてきな店は富山にもっとありますよ! 立ち去る外国人にもう一声かけたくなりました。
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