テレビ番組は誰が作っているのか。実は、テレビ局員だけで制作している番組は、ほとんどない。出演者や脚本家らが関わるのはもちろんだが、裏方の中核を担うのは、制作会社だ。

 その制作会社が今、厳しい状態にある。約120社が加盟する全日本テレビ番組製作社連盟(ATP)の理事長・福浦与一さん(56)に、実情を聞いた。(共同通信編集委員・原真)

 ▽小規模な社は倒産も

 制作会社の直近の経営状況はどうか。ATPが2024年秋に実施したアンケートを基に、福浦さんが説明する。

 「売り上げは前年から横ばい、利益は減ったという社が多く、厳しい。ATPに加盟していない小規模な制作会社は、倒産が相次いでいます。2008年のリーマン・ショック以降、テレビ局の番組制作費は、ほぼ減り続けている」

 実際、五つある在京キー局の決算によれば、2007年度の番組制作費は計約4869億円だったのが、2023年度は3668億円と、約25%も減った。また、2023年にNHKのBS1とBSプレミアムがNHK・BSに統合され、チャンネルが一つ減ったことで、主にドキュメンタリーなどを作ってきた制作会社は、深刻な打撃を受けている。

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