国重要無形民俗文化財の城端曳山(ひきやま)祭は5日、富山県南砺市城端地域中心部で本祭を行い、絢爛(けんらん)豪華な曳山を巡行した。夜には「提灯(ちょうちん)山」となり、「越中の小京都」と呼ばれるまちを彩った。
午前10時、6基の曳山が城端別院善徳寺前にそろい、大工町の「千枚分銅山(せんまいぶんどうやま)」を一番山に、西上、東下、出丸、西下、東上の各町の曳山と庵(いおり)屋台が出発した。車輪をきしませながらゆっくりと進み、曲がり角では引き手たちが勢いよく曳山を回し、方向転換した。
各町の若連中は、庵唄を披露する「所望宿(しょもうやど)」の前に来ると、軒先に屋台を横付けし、伝統の庵唄を披露。三味線や篠笛(しのぶえ)が奏でる粋な音色に乗せ、唄方が男女の恋を表現した庵唄をしっとりとうたい上げた。
昨年、巡行300年の歴史で初めて誕生した女性地方(じかた)は、出丸町で1人増え、3町の計4人が男衆と共に篠笛や三味線を奏でた。
城端曳山祭は城端神明宮の春季祭礼。2016年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。