国重要無形民俗文化財・城端曳山(ひきやま)祭は4日、富山県南砺市城端地域中心部で宵祭(よいまつり)を行った。若連中らが伝統の庵唄(いおりうた)を披露し、「越中の小京都」に粋な音色を響かせた。5日は本祭を行う。

 江戸端唄(はうた)の流れをくむ城端の庵唄は曳山祭の魅力の一つ。東上町の曳山「鶴舞山」と庵屋台が飾られた城端曳山会館駐車場の特設会場に、紋付きはかま姿の若連中が曳山巡行の順で登場。三味線や篠笛(しのぶえ)、太鼓に合わせて粋な唄を響かせ、聴衆を魅了した。昨年、巡行300年の歴史で初めて誕生した女性地方(じかた)も、1人増えて4人となった。

 庵唄の披露に先立ち、獅子舞や浦安の舞、城端小4年生による曳山祭讃歌「城端祭」の合唱もあった。御旅所(おたびしょ)になった城端伝統芸能会館じょうはな座でも庵唄などが奉納された。

 6町の「山宿」には御神像が飾られ、観光客が山宿巡りを楽しんだ。

 6町に引き手として協力する名城大(名古屋市)の男子学生27人と、各町の区長との対面式もあった。

 5日は、午前10時に城端別院善徳寺前から曳山と庵屋台が出発する。午後6時45分からは提灯(ちょうちん)山となる。