二百十日の風封じと五穀豊穣(ごこくほうじょう)を願う伝統行事「おわら風の盆」が1日、富山県富山市八尾町中心部で始まった。伝統芸能を受け継ぐ11町の担い手たちが、哀愁漂う胡弓(こきゅう)や三味線の旋律を響かせながら、三日三晩にわたって唄い踊り明かす。情感豊かな唄や優美な踊りを繰り広げ、大勢の観光客が坂の町の風情を堪能した。行事運営委員会によると、この日は約8万人が訪れた。3日まで。
暑さの残る午後5時ごろ、各町で町流しが始まった。地方衆の唄や演奏に合わせ、そろいの浴衣や法被、編みがさを身に着けた踊り手が美しい所作を見せ、集まった観光客を楽しませた。
ぼんぼりの柔らかな光に照らされた諏訪町では、「日本の道百選」に選ばれている石畳を担い手がゆっくりと歩きながら演奏や踊りを披露した。観光客は、ぼんぼりの柔らかな光に照らされた白壁や土蔵などが並ぶ坂の町を巡り、江戸時代から300年以上受け継がれてきたとされる伝統芸能にうっとりと見入った。
2日は、午後5時から同11時まで各町で町流しが行われる。雨天時と深夜の町流しは各町が実施を判断する。
