富山大空襲を語り継ぐ会は7月12~17日、戦後80年に合わせ、県民会館で空襲資料の展示会を開く。戦災の記憶を継承するため、念願である資料の常設展示に向けたステップとしたい考えだ。27日に同館であった総会で決めた。
展示会では、空襲当時の富山市街地の写真や被災者が後に語った言葉などを紹介する。80年前の富山と同じ夜に爆撃を受けた、新潟県長岡市にまつわる特設コーナーもつくる予定。
同会は富山県と富山市に、空襲資料の常設展示施設の確保を求めている。高安昌敏代表幹事は7月の展示会を「常設展示への第一歩にする」と説明。「各地で埋もれている資料や遺品を集めるきっかけにもしたい」と語った。
今年3月時点の会員数は74人。昨年から7人が入会したが亡くなった会員もおり、全体で2人減った。
総会には約30人が出席。戦争の記憶継承に取り組む県内の高校生有志でつくるグループ「輪音(わおん)」のメンバーも参加し、本年度の活動計画を発表した。5月下旬に富山市内で戦争体験者から話を聞き、少人数のグループで平和について考える催しを開く。7月には小学生親子向けに、市中心部の戦跡を巡るツアーを行う。