昭和といえば、何を想像しますか? グルメなら、ナポリタンや中華そば。そんなメニューのそろう店内のレトロな照明やいすには歴史が感じられます。味のある食品サンプルもなんだか懐かしい…。2025年は、昭和元年から100年目。昭和を感じさせる味や歴史ある店を探しました。(情報は取材時の内容です)

中華そば いちい(射水市)

兄弟でつなぐ3代の味 昔懐かしい中華そば

「中華そば」(手前、800円)、「ぎょうざ」(380円) 食事メニューは「中華そば」、「チャーシュー麺」、「ぎょうざ」に絞っている。「中華そば」は見た目ほど塩気が強くなく、最後に甘みも感じられる

細めのちぢれ麺に、鶏がら、豚骨、野菜からとったスープが絡む。チャーシューを煮込んだしょうゆダレが香る、昔懐かしい中華そばだ。店にはひっきりなしに客が訪れる。3代目の市井智久さん、晴久さん兄弟は「2代にわたって通ってくれるお客さんもいて、ありがたいですね」と笑う。

創業は昭和30年。2代目である父の代で一度閉店したが、復活を願う声に応え、令和元年に再び店を開いた。

赤が印象的なカウンター席。テーブル席や小上がりもある

カウンターは、初代の祖父が好きだった鮮やかな赤を選んだ。昭和、平成、令和をつなぐ味と、話好きだった祖父、父譲りの温かい接客は今も生きている。

「ソフトクリーム」(280円) ラーメンの後にシメとして注文する人が多い。創業当時と同じ材料を使い、濃厚で滑らかなのが特徴
社長の市井智久さん(左)と取締役の市井晴久さん

うずや(滑川市)

出来たてのハンバーガーを今も昔も

「ビッグバーガー」(手前、880円)、「クリームソーダ」(380円) 3段重ねのバーガーは口いっぱい開けても頬張れないほどの大きさ。お供にはポテトも欠かせない。急ぎや数量が多い場合は電話注文がおすすめ

ハンガーガーを40年余り前から提供し、「ハンバーガーとコンビニの店」として住民に親しまれている。昭和27年に食品や日用品を扱うよろず屋として創業。店内は少し色あせた食品サンプルが歴史とあたたかみを感じさせる。

滑川市内の商業施設に出店していた際に展示していた食品サンプル。日に焼けて少しくすんだ色合いがたまらない

2代目店主の四十物輝好さんと父の雅毅さん、母の幹子さんが切り盛りし、注文を受けてから一つ一つ手作りする。「出来たてのおいしさを楽しんでもらいたいという思いは、今も昔も同じです」と輝好さん。1番人気は、ビーフパティ2枚とフィッシュフライなどを挟んだ「ビッグバーガー」だ。濃厚な自家製ソースが、うまみたっぷりのパティとさっぱりとしたフライの味わいを一層引き立てている。

ばんころバーガー(450円) サクサク、ホクホクの枝豆入り手作りコロッケを、ふわふわのバンズで挟んだ
店主の母の四十物幹子さん

撮影:竹田泰子、南部スタジオ