昭和といえば、何を想像しますか? グルメなら、ナポリタンや中華そば。そんなメニューのそろう店内のレトロな照明やいすには歴史が感じられます。味のある食品サンプルもなんだか懐かしい…。2025年は、昭和元年から100年目。昭和を感じさせる味や歴史ある店を探しました。(情報は取材時の内容です)
フルーツパーラー源平(小矢部市)
時が止まったような店内で 郷愁を誘うミルクセーキを

「ミルクセーキ」(手前、600円)、「フルーツサンデー」(800円) ミルクセーキは小矢部市産の卵に牛乳やバニラアイスを加える。カットガラスが美しいフルーツサンデーの器は、現在製造されておらず貴重
深い緑色のカウンターにペンダントライトが柔らかい光を落とす。店内はまるで昭和の空気感を閉じ込めたかのようだ。おすすめは昔ながらのレシピで作る「ミルクセーキ」。小矢部市特産の新鮮な卵を使い、ふわりとした甘さが郷愁を誘う。

創業時に流行していたアーチ型の窓や照明も、今はノスタルジックな趣をまとう
インテリアは昭和45年の創業当時のまま。店主の川西智恵子さんは、亡き夫、清さんが選んだものを大切に使い続けている。3代続く常連客がいる一方で、近頃ではレトロな風情を求めて遠方から訪れる若い客も増えた。「皆さんとお話したくて。お客さまに励まされて続けています」と川西さんはほほ笑む。

「カレー」(700円) マイルドな中に辛みが潜むビーフカレー。ご飯は県産コシヒカリを使う

店主の川西智恵子さん
軽食喫茶ゴールド(富山市)
ノスタルジックな空間になじむ 素朴なパンケーキ

「パンケーキセット」(630円) 食感はしっとりふわふわ。コーヒーまたは紅茶が付き、アイスかホットを選べる。土曜はオレンジジュースも可
暖色のいすと照明は、まさに昭和。昭和47年にオープンした富山地鉄ゴールデンボウル内のこの店は、設備がほとんど当時と変わらない。レトロを求め、県外から訪れる人もいる。

レトロながらモダンを感じさせる照明やいすを備える店内
手作りの「日替わりランチ」や水曜限定の「ワンコインカレー」が人気で、近くで働くサラリーマンに愛されている。サイドメニューの「パンケーキセット」は薄めのホットケーキで、素朴な見た目が懐かしい空間になじむ。「はやりの映えるパンケーキとは違い、昔ながらの形です」と店長の山崎和美さん。ノスタルジックな雰囲気に浸りながら、ゆったりと味わいたい。

「日替わりランチ」(800円) この日は「生姜焼定食」。手頃な価格でさっと提供されるのがうれしい。みそ汁は「ほっとする味」と評判

(左から)店長の山崎和美さんと、スタッフの柳田勝美さん、上田美代子さん。1階のボウリング場を見下ろせる席もある
撮影:南部スタジオ